オーボエ(ヴァイオリン/リコーダー)とオブリガートチェンバロのための ソナタ第5番 ト短調

オーボエ(ヴァイオリン/リコーダー)とオブリガートチェンバロのための ソナタ第5番 ト短調

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オーボエ(ヴァイオリン/リコーダー)とオブリガートチェンバロのための ソナタ第5番 ト短調



定価:1,500 円







 



序 文



 



この作品はゲオルグ・フリードリッヒ・ヘンデル(1685~1759)の作品2の第5番「二つのヴァイオリンと通奏低音のためのトリオソナタト短調」HWV390をオーボエまたはヴァイオリンとオブリガートチェンバロ用に書き換えたものです。テナー・リコーダー、ディスカント・リコーダーなどでも演奏できます。書き換えに当たっては、第2ヴァイオリンをチェンバロの右手に配し、通奏低音の数字を基に要所に内声を加えました。



このような書き換えは珍しいことではなく、J.S.バッハは、「2本のフルート・トラヴェルソ(以下、フルート)と通奏低音のためのトリオソナタト長調(BWV1039)」を「ヴィオラ・ダ・ガンバとオブリガートチェンバロのためのソナタト長調(BWV1027)」に書き換えています。



ヘンデルのトリオソナタは、現在21曲確認されています。3曲は偽作で、真作18曲のうち13曲がロンドンのウォルシュ社から出版されました。



 



作品2(1733年)                                 作品5(1739年)



第1番ロ短調HWV386b (Fl.Vn.BC.)         第1番イ長調HWV396 (Vn.Vn.BC.)



第2番ト短調HWV387  (Vn.Vn.BC.)        第2番ニ長調HWV397 (Vn.Vn.BC.)



第3番変ロ長調HWV388 (Vn.Vn.BC.)        第3番ホ短調HWV398 (Vn.Vn.BC.)



第4番へ長調HWV389  (Fl.Vn.BC.)         第4番ト長調HWV399 (Vn.Vn.BC.)



第5番ト短調HWV390  (Vn.Vn.BC.)        第5番ト短調HWV400 (Vn.Vn.BC.)



第6番ト短調HWV391  (Vn.Vn.BC.)        第6番へ長調HWV401 (Vn.Vn.BC.)



                                                              第7番変ロ長調HWV402(Vn.Vn.BC.)



 



作品2は、ト短調が3曲含まれていること、楽器編成が統一されていないことなどから、ウォルシュ社の創設者ジョン・ウォルッシュ(以下、ウォルッシュ(父))がヘンデルの過去の作品を6曲寄せ集めて編集したものでしょう。作品5の7曲は、ウォルッシュ(父)の息子のジョン・ウォルッシュ(以下、ウォルッシュ(子))の依頼により作曲された一連の作品で、調号の重複がなく、楽器編成は2つのヴァイオリンと通奏低音に統一されています。この作品2と作品5の成り立ちは、ほぼ同時期に出版された、合奏協奏曲集作品3(1734年)と作品6(1739年)に酷似しています。



本書で取り上げた作品2の第5番は、二つのヴァイオリン、二つのオーボエ、ヴァイオリンとオーボエ(またはその逆)などで演奏可能です。音域だけで見ると、オーボエとフルートという組み合わせも可能ですが、音量や音質のバランスから魅力的な組み合わせとは思えません。第3番と同様に音域がC4~B♭5であることから二つのオーボエを想定した作品と思われます。



第1楽章の付点16分音符と32分音符のリズムについて、ウォルシュ社の出版譜は所々に各声部間の統一性がない部分がありますので、注意して合わせる必要があります。基本的には  で統一するといいでしょう。第2楽章の冒頭はフーガですが、バスがそれに加わることなく、曲が進んでいきます。コレッリの形式を踏襲しつつも、第1声部の長いソロを挿入するなど、変則的な構造になっています。このような形式はテレマンのいくつかのトリオソナタにも見られます。また、バスの活発な動きも特徴的です。26小節目には、オーボエのためと思われる不自

然なオクターブ調整が見られます(左が出版譜、右が本来の音型です)。



 



第3楽章は平行調の変ロ長調のアダージオです。コレッリの様式に戻り、各声部均等にウエイトを配しています。アダージオですが、速めの速度で演奏するといいでしょう。後半各声部に



のリズムが出てきますので、他の声部は      を   に、       を      にして統一してください。



第4楽章の冒頭はフーガ風ですが厳密なものではなく、中間部に第1声部の長いソロが挿入されており、部分的に第1声部と通奏低音のためのソロソナタの構造となっています。



チェンバロの右手に加えた内声は少し小さく記譜しています。これは一つの参考例として、スコアのチェンバロパートの下に記した通奏低音の数字を基に、自由に省略、追加、変更して演奏して下さい。



 





 

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